修善寺温泉あさばの秋の食事、夕食編です。
19時からの部屋食指定。
あさば-2017年10月の夕食献立
菊酒
銀杏と小柱
神無月盛肴(イノシンベーコン、いくら醤油漬、きぬかつぎ、栗渋皮煮、たこ桜煮)
鱧と松茸吸鍋
地魚造り(赤はた、赤いか、がすえび)、煎り酒
天城軍鶏塩焼(すだち、わさび、白髪葱、ゆず胡椒、生七味)
白だつ菊花ごま和え
かますあられ揚げ、春菊ソース
穴子黒米寿司
折戸茄子煮
松茸ごはん(もずく赤だし、水ナス、かぶ糠漬け、たくあん古漬)
メロン、ブランマンジェ
焼きナスと生姜のアイスクリーム
外国人のお客様が多いせいか、ボリュームもしっかり。
際立って、派手な素材を使用しているわけではないのですが、例えば1粒の銀杏や、栗をとっても見事な素材でした。
鱧と松茸の吸鍋
出汁には焼いた鱧の骨を使用しており濃厚な風味。鱧の骨切りもまずまず。鱧と松茸だけというのが実に潔く、素晴らしい。
地魚造り(赤はた、赤いか、がすえび)
質の良い地魚を煎り酒で。赤ハタはしっかりとした歯ごたえで、朝締めかな、非熟成の鮮度重視。伊豆ですからね、こうでなくては。赤いかも深海の本えび(がすえび)も上質。鮪を入れないのが見識。わさびももちろん、良質でした。
折戸茄子煮と松茸御飯
シンプルですが、茄子の煮たものや松茸ご飯(やや炊き具合が緩めかな)など、どれも上質。旅館料理でありながら、こういう皿を提供できるところが良いですね。
気になった点
かますあられ揚げ、春菊ソースは、試みとしてはおもしろいのですが、ソースにもう少し春菊の香りが欲しいのと、やや水っぽく感じました。
ソースを片栗でとめてあるので、温度が下がるとゆるくなり、その影響かと思います。思い切ってピューレ上の春菊ソースにしたほうが良いのかもと感じました。
また食後の甘味が焼き茄子と生姜のアイスクリームでしたが、これはもう1つかな。焼き茄子の素朴な焦げた風味は、食事の締めにふさわしいとは思えないし、生姜は辛味が強すぎて、食べた後までひりひりしてしまいました。
いずれも例えば3時のおやつにというのであれば、問題ありませんが、晩餐の後の締めには、やや場違いに感じました。
他に気になった点としては皿だしのスピード。最初のほうは、早すぎていくつかの料理が重なって卓に並んでしまいました。
かと思うと、後半はやたらに間が空いてしまったり・・・。宿自体はそれほど混雑しているようには見えませんでしたので、週末の混雑時はどうなるのか、多少心配です。
文句をいくつか並べてしまいましたが、もちろん総じては満足しました。求めるものが高いために、どうしても細かい点にクレームがいくというだけです。
地元の高い品質の素材を、シンプルに、かつ他にはない料理をという意図が感じられ、かつ成功しています。確かに、あさばに訪れなければ料理であると感じ入りました。